4歳の頃

4歳の頃と言えば、思い出すことがある。

私は4歳の時、大阪駅地下で両親とはぐれてしまった。
妹が2歳で母はそちらに気を取られ、私を見とかなきゃならなかった父はほんの一瞬の間それを怠り、私はごった返す大阪地下で人混みにのまれて消えた。
両親は必死に探し、警察にも届けて一緒に探してもらったが見つからず、とりあえず帰宅して連絡を待つということにしたらしい。

で、家にたどり着くと、玄関先でしゃがみこむ私を発見!
何が何だか分からないけど、私は強く抱きしめられた。

そう、私は切符もお金も持たない4歳児だったけど、一人で家に戻っていたのである。
家は東淀川区東淀川駅からは徒歩10分くらいの所に家はあった。

よほど両親はこのことが忘れられない出来事だったらしく、何度も何度もこの話を家族でしていたので、これはきっと間違いない事実だったのだろうと思う。

まだ数字もちゃんと読めない私に母は、「お団子2つのマークの階段を上がって電車に乗るんやで。降りる駅は次の次」って教えていた。それがよかったんだと今でも自慢げに話す。

ちなみに「お団子2つ」とは数字の8のことである。

しかし、迷子になった記憶と長く待ってその後強く抱きしめられた記憶はちゃんとあるが、その途中の記憶は 実は全くない。

もしかすると、
パラレルワールド… なのかもしれない……